第5章
供給の 9 割は、どこへ消えたのか
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第3章では 2 月の発行・分配と、5 月 20〜21 日に配布先から分配ウォレット(75TpF4mD…P9mwPx)へ SANAET が返送されたところまでたどりました。第4章では、残りの供給の多くがプール取引で市場に出回りました。
この章では、そのあと分配ウォレット に集まった SANAET がどこへ移ったかを、オンチェーンの記録だけに基づいて追います。
各枠の受取先は分配ウォレットから配られ、5 月にそろって同じ分配ウォレットへ返送されています。独立した保有者がこうして一斉に戻すとは考えにくく、分配ウォレットを含めて運営側の管理下とみられます。
5 月 20〜21 日 ― 配った分を回収する
5 月 20 日、第3章で触れたエアドロップ先 45 ウォレットが、それぞれ受け取っていた 6,222,222 枚をすべて分配ウォレットへ返送しました。45 件の transfer が 13:17〜13:18 JST に集中しています(合計およそ 2.8 億枚)。
翌 5 月 21 日には、チーム枠受取先 から 5,000 万枚(14:35 JST)、コミュニティ枠受取先 から 2 億枚(14:37 JST)が、いずれも分配ウォレットへ返送されています。
いずれも Raydium プールでの swap(売却)ではなく、ウォレット間の transfer です。2 月に各枠へ振り分けたトークンが、約 3 か月後に分配ウォレット へ戻ってきた形です。
5 月に集約し、6 月に焼却する
まず 5 月 27 日 20:08 JST、分配ウォレットから焼却アドレス (incinerator 1nc1nerator…111111)のトークン口座(ATA DUzqm5CQ…jcL8Y)へ 913,363,647 枚が一括送付されました。ただしこれは ATA への集約(transfer)で、この時点では総供給は 10 億枚のまま――incinerator が「保有」している状態です。
実際に供給が減ったのは約 3 週間後の 6 月 16 日 22:49 JST。incinerator の ATA が保有していた 914,738,449 枚が SPL の burnChecked で焼却され、総供給は 10 億枚から 約 8,526 万枚(−91.5%)に確定しました。
つまり 5/27 の集約と 6/16 の焼却は別の取引です。集約だけでは供給は減らず(incinerator が保有するだけ)、焼却(burnChecked)で初めて総供給そのものが減ります。
45WL(エコシステム分)
2.8 億
コミュニティ枠 受取先
2 億
チーム枠 受取先
0.5 億
分配ウォレット
incinerator 口座で保有
この時点では総供給 10 億枚のまま
焼却(burn)
総供給 10 億 → 約 8,526 万枚(−91.5%)
燃やしたあと、残ったのは
6 月 16 日の焼却で、発行された 10 億枚のうち 約 9.15 億枚(91.5%)が消滅し、総供給は 約 8,526 万枚に確定しました(2026 年 6 月 28 日 RPC 照会)。まさに「消えた 9 割」です。
- 焼却済み(6/16 burnChecked)約 9.15 億枚91.5%
- 残存(流通・保有)約 0.85 億枚8.5%
焼却を生き残った 約 8,526 万枚の筆頭は、いまやRaydium プールに残った流動性で約 56%。次いでプールで買った大口参加者が続きます。incinerator のトークン口座は、焼却前は供給の 91.45% を占めていましたが、焼却後は約 1.99%(小口バーンの再蓄積分)まで下がりました。
個人が自分で燃やした分
5 月 27 日の一括送付とは別に、個別のウォレットから incinerator へ送られた小口の burnが、2 月〜5 月に 9 件記録されています。累計はおよそ 2,560 枚で、総供給比では無視できる程度です。
6 月以降も、個別ウォレットから incinerator への小口 transfer が増えています。いずれも分配ウォレット からの一括送付とは別系統で、保有者が自ら burn アドレスへ送った形です。
もう増やせない・凍結できない
SANAET ミントのオンチェーン状態は、次のとおり固定されています。
- mintAuthority — null(2/23 に放棄済み。追加発行不可)
- freezeAuthority — null(2/26 に放棄済み。口座凍結不可)
供給量を増やしたり、第三者の口座を凍結したりする操作は、チェーン上ではもうできません。5 月の集約・焼却は、既に発行済みのトークンを移動しただけです。
この章でわかったこと
- 5 月 20〜21 日に、エアドロップ 45 ウォレットやチーム枠・コミュニティ枠などの配布分が、swap ではなく transfer で分配ウォレットへ返送された。
- 5 月 27 日に分配ウォレットから incinerator の口座へ 913,363,647 枚を集約(transfer)。この時点では総供給は 10 億枚のまま。
- 6 月 16 日に incinerator 保有分 914,738,449 枚が burnChecked で焼却され、総供給は 10 億枚 → 約 8,526 万枚(−91.5%)に確定した。
- 焼却後の筆頭ホルダーは Raydium プールに残った流動性(約 56%)。LP ロックではなく、集約 → 焼却の 2 段階。
- mintAuthority・freezeAuthority とも null で、追加発行も口座凍結ももうできない。
最終章「公表との答え合わせ」では、運営の公表がここまでの記録と一致するかを確かめます。